最近、日本でも高い評価を受けている精密加工会社からの依頼で、米国の半導体装置メーカーに対し、同社部品の採用を提案しました。
サンプルとして出荷した製品は、明らかに、既存の納入業者のものよりも品質が優れていました。
しかし、結果は「採用不可」でした。
その理由は、製品そのものの品質ではありません。
米国企業が定める詳細な製造・作業手順に対し、日本企業側のマニュアルや工程管理が不十分と見なされたためです。
つまり、日本企業側の現場で、米国基準を忠実に再現するのは難しい、という判断でした。
「日本製品は品質が良いから売れる」という、私たちの信念が通用しなかったことに、大きな衝撃を受けました。
この事実は、たとえ日本が試作段階で優れた技術を持っていても、グローバル市場においては、競争に勝てないという現実を突きつけています。
一方で、日本国内にはそれなりの市場があり、「ある程度の国内需要が見込める」環境もあります。
そのため、詳細なグローバル対応の生産マニュアルを無理に整備するより、優秀な職人に頼った方が効率的だと考える企業も少なくありません。
最近では、日本の技術力や文化の優秀さを称賛するYouTube動画も多く見かけます。
そうした内向きの発信ばかりが目立ち、世界の基準や文化の流れから目を背けているように感じられるのです。
そうした姿勢が続けば、日本は「世界で最も孤立した国」になりかねない、という危機感を覚えるようになりました。
ChatGPTのようなAIの登場により、これまで日本人が苦手としていた外国語の壁も低くなり、私は「これからは日本ももっと海外に出ていける」と意気込んでいました。
ですが、肝心の企業自身が海外に出ることをためらい、内に閉じこもってしまっていては、意味がありません。
もちろん、たとえ海外で失敗しても、それは貴重な経験になります。
わが社も、小さいながらグローバル基準を身につけ、世界で戦える若い人材がもっと出てきてほしいと切に願っています。
そうでなければ、日本は本当に、世界で一番孤立した国になってしまうかもしれません。
わが社はその名を「CDR Eco-Movement」ではなく、「Global Eco-Movement」と会社名を変えたいと思っています。